月スイングバイの実験

(2005/12/28作成)

月スイングバイを利用して探査機を金星、もしくは火星方向に飛ばしてみよう、というシミュレーションです。
探査機は近地点2万Km、遠地点42万Kmの楕円軌道に入ってます(月までの距離は38万Kmですので月より遠くに行く軌道です)。

まずは実行してみましょう。

使い方
・「Start」を押すとシミュレーションを開始します。
・「Stop」を押すと一時的に停止します(また「Start」を押せば再開します)。
・「Clear」を押すと、元の状態に戻ります。
・「金星へ」を選択すると地球の内側に向かって飛んでいきます。「火星へ」だと外側に向かいます。

※備考1 左側は地球を固定した時の月(黄色)と探査機(赤)の動きを示しています。
      右側は中心に太陽があり、金星(橙)、地球(月)、火星(ピンク)の位置を示しています。太陽からの距離だけを参考にして下さい。
      月と地球はほとんど一緒に動いているので黄色と緑の軌跡で表示されます。
      惑星は太陽の周りを円運動してるとしています。月も地球の周りも円運動してるとしています。
※備考2 左側の月の軌道がずれるのは(多分)太陽の影響を受けるためと思われます。
※備考3 探査機と月が近づくとゆっくり拡大表示します。


Java Applet版はこちら


感想など
 月スイングバイをして地球を離脱するする瞬間はすごい勢いで飛ばされていくのですが、
いざ、地球を離れてみると、ほとんど地球の側からちょっと離れた程度で、
火星や金星に届く距離まで飛ばすには月スイングバイだけだと加速不足のような
気がします。
 また1回よりは2回スイングバイさせた方が加速されるようです。
しかし、あまり最初に加速させすぎるとそれだけで地球を離脱してしまいます。
地球にまた戻ってくるぎりぎりの速度まで加速させてから再度加速するのが効果的なようです。


月まで届く軌道に乗せると、月や太陽の重力をかなり受けるようで
きれいな楕円軌道は描いてくれません。
また、何度か周回させると非常に簡単に!月や地球と衝突してしまいます。
シミュレーションでは月の初期位置ずらすことによって探査機のスイングバイの条件を
変えています。

また、離脱する直前は必ず月の進行方向の後ろ側、を通っている(=加速されている)のが
分かると思います。
逆に進行方向の前を通ると減速して軌道が小さくなってます。

最初は火星探査機「のぞみ」が行ったスイングバイを試してみたかったのですが、
もっと月の位置とか地球の位置を正しく合わせないとダメなようで挫折しました。


Javaのソースはこちら。

外部リンク
  • 火星探査機「のぞみ」が地球を去るまでにたどった軌道 (元のページが消えたのでInternet Archiveへのリンクです)
  • 火星探査機「のぞみ」の ページ (同上)

    参考文献
    恐るべき旅路 火星探査機「のぞみ」のたどった12年(松浦晋也 著、朝日ソノラマ出版、2005 第1刷)

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